【保存版】「疲労耐性」とは?なぜ30kmの壁で脚が止まるのか?疲労耐性の正体と、ランナーがやるべき筋トレメニュー
こんにちは、カヅキです。
Youtubeを何となく見ていたらランニングには「疲労耐性」という考え方がある。という情報が流れてきました。なんなんだそれは。
燃費の良い「遅筋」を優先的に使い、燃費が悪くすぐにバテる「速筋」の動員を限界まで遅らせる能力のことです。 筋トレでランニングエコノミー(燃費)を改善したり、速筋を疲れにくい性質に変えたりすることで、この耐性を強化できます。
そんなことは全く知らずに現役時代は筋トレを疎かにして走ってばかりいました。
実際、長距離走を走っている際には後半に伸び悩むことが多く「自分って根性ないのかな」と思い悩むことも多々ありました。しかし、この概念に出会ってからは

(もしや後半踏ん張れなかったり伸び悩むという課題は、根性論ではなく練習で解決できる話なのでは?)
と考えるようになりました。
メンタルを向上させるというハックなどを通じて精神力は数年単位では身につかないと思い込んでいる僕は、そうしてこの「疲労耐性」という概念に俄然興味が湧き、調べてみようと思ったのです。
しかしながら、僕は高卒で特に英検に関しては3級に受かるかも怪しいレベルなので、もちろん英語で書かれている専門的な論文など読めるわけがありません。
といわけで今回は、Google様のAIツール「NotebookLM」と「Gemini(pro)」を活用して、ランニングのパフォーマンス向上に関する4本の専門的な論文(日本語の疲労モデル論文&海外の筋トレ効果検証論文)を読み込ませ、僕の足りない読解力の大部分を補填していただき、読み込み、まとめてみることにしました。
なぜ後半に失速するのか。そして、それを防ぐために、なぜ筋トレが必要なのか。
「長距離ランナーに筋トレなんて必要ない、走ればいい」
そう思っている方にこそ読んでほしい。
これは精神論で解決するのではなく、生体メカニズムに基づいた「疲労耐性」に向き合い、記録を向上させるための文章を心がけて一緒に勉強しましょう。

※当記事の大部分はGemini先生による要約がほとんどになります。ご了承の上でお読みいただけますと幸いです。
それではGemini先生、よろしくお願いいたします。
- [1] 速水則行 他, “運動単位タイプの疲労耐性の違いを考慮した筋疲労のモデル化“, バイオメカニズム 18, pp.23-34.
- [2] Rønnestad, B. R., & Mujika, I. (2014). Optimizing strength training for running and cycling endurance performance: A review. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 24(4), 603-612.
- [3] Balsalobre-Fernández, C., et al. (2016). The Effects of Strength Training on Running Economy in Highly Trained Runners: A Systematic Review with Meta-Analysis of Controlled Trials. Journal of Strength and Conditioning Research.
- [4] Paavolainen, L., et al. (1999). Explosive-strength training improves 5-km running time by improving running economy and muscle power. Journal of Applied Physiology, 86(5), 1527-1533.
なぜ後半に脚が止まるのか?「疲労」のメカニズムを解剖する
まず、「疲労」の正体を知るために、『運動単位タイプの疲労耐性の違いを考慮した筋疲労のモデル化』という論文を読み解きました。
ここで重要なのは「運動単位(モーターユニット)」と「サイズの原理」という概念です。
筋肉には「3つのランク」がある

筋肉を動かすための最小ユニットである「運動単位」は、性能によって以下の3タイプに分類されます 1。
- Sタイプ(Slow / 遅筋):
- 特徴:力が弱いが、燃費が良く、非常に疲れにくい。
- 例え:「プリウス(エコカー)」
- FRタイプ(Fast-Fatigue Resistant / 耐疲労性速筋):
- 特徴:中間の性質。そこそこ力が出て、そこそこ持つ。
- 例え:「一般乗用車」
- FFタイプ(Fast-Fatigable / 易疲労性速筋):
- 特徴:爆発的な力が出るが、一瞬でガス欠になる。
- 例え:「F1カー(燃費最悪)」
サイズの原理
私たちの体は非常にうまくできていて、力を出すときは「燃費の良いSタイプ(遅筋)」から優先的に動員します。これを「サイズの原理」と言います 2。

- 走り始め(元気な時)
負荷が低いので、燃費の良い「Sタイプ(プリウス)」だけで走ります。この時、ガソリン(グリコーゲン)はほとんど減りません。 - 中盤(Sタイプが疲れてきた)
Sタイプが疲労して動かなくなってくると、脳は仕方なく予備の「FRタイプ(一般車)」を動員し始めます 3。 - 30km以降(緊急事態)
SもFRも疲れて動かなくなると、最終手段として「FFタイプ(F1カー)」を投入します。
ここが「失速」の正体です。
失速の正体

FFタイプ(F1カー)が動員された瞬間、エネルギー消費量は跳ね上がり、乳酸などの代謝副産物が一気に蓄積します。
つまり、「メインエンジンのSタイプが売り切れて、燃費の悪いエンジンを使わざるを得なくなった状態」が、30kmの壁や脚が棒になる現象の力学的な正体なのです。
なぜ「筋トレ」が疲労耐性を上げるのか?
では、どうすればこれを防げるのか?
「走り込んでSタイプ(遅筋)を鍛える」のはもちろん正解ですが、それだけでは限界があります。
そこで登場するのが「筋力トレーニング」です。
海外の論文(『Optimizing strength training for running…』など)では、持久系アスリートが高負荷の筋トレを行うことで、以下の劇的なメリットが得られると結論づけています。
① 「速筋」を「エコ仕様」に改造できる
これが最も衝撃的でした。適切な筋トレを行うことで、燃費の悪い速筋(タイプIIX)が、より疲労に強い速筋(タイプIIA)に変化することが示唆されています(4)。
つまり、後半に遅筋が売り切れて速筋が出動したとしても、その速筋が「F1カー」から「ハイブリッドスポーツカー」くらいに改造されているため、後半の粘りが劇的に向上します。
② ランニングエコノミー(燃費)が改善する
筋トレを導入したランナーは、酸素摂取量($VO_{2max}$)が変わらなくても、ランニングエコノミー(燃費)が最大8%程度改善したというデータがあります(5)。
理由は以下の通りです。
- 神経系の改善:
脳から筋肉への指令がスムーズになり、無駄な力みが消える 6。 - バネの強化:
腱(アキレス腱など)の剛性が高まり、着地の衝撃をエネルギーとして再利用できるようになる 7。
③ 最大スピードが上がると、巡航速度が楽になる
最大スピード($V_{max}$)が上がると、マラソンペースのようなサブ最大強度が、相対的に「楽」になります 8。余裕度が生まれることで、Sタイプ(遅筋)の消耗を遅らせることができるのです。
疑問「筋トレしたら体が重くなって遅くなるんじゃないの?」

今のところめっちゃわかりやすいです。
でも気になる点がありまして、現時点では筋トレしたら良いことしかないみたいな感じに説明されていますが、なんとなくのイメージだと筋肉が付き過ぎると体重が重くなってしまって、長距離を走るのは不利になってしまうのでは?と直感的に思ってしまうのですが、その辺りってどうなんですか?
結論から言うと、「その心配は99%無用」です。 論文(Rønnestad & Mujika, 2014(2))では、この点についても明確に否定されています。
理由①:ランナーは簡単には太くなれない
論文によると、持久系アスリートが高負荷・低回数の筋トレを行っても、「体重や筋肉の量はほとんど変わらなかった」という研究結果が大半です。
なぜなら、ランニング(有酸素運動)と筋トレを両立している場合、有酸素運動が筋肉の肥大化シグナルを一部ブロックしてしまう「干渉効果」が働くからです。
つまり、我々ランナーは、どれだけ頑張って筋トレしても、ボディービルダーのようにデカくなる才能(?)は最初から削がれているのです。
理由②:「筋肉を太くする」のではなく「神経を鍛えている」

後術する推奨メニューは「高負荷で少ない回数(4〜6回)」や「瞬発力」のトレーニングです。
これは、筋肉をパンプアップさせて太くする(筋肥大)トレーニングではなく、「眠っている筋肉を目覚めさせる(神経系の適応)」トレーニングだからです。
- ボディービルダーの練習:
中負荷 × 高回数 × 限界まで追い込む = 筋肉が太くなる - ランナーの推奨練習:
超高負荷 × 低回数 × 余裕を残す = 筋力だけ上がり、太さはそのまま

なるほど…。 『エンジンを大きくする』んじゃなくて、『エンジンの出力を制御するコンピュータ(神経)を強化しようみたいな』イメージですかね。
安心して重い物を持ってください。そう簡単にムキムキにはなれません。(煽)
ちなみに、僕の場合は少し胸まわりや腕の筋肉がついて、以前より少し大きくなっている感じがしたので、Geminiに大丈夫か聞いてみましたが、ひたすらポジティブな返答が返ってきて逆に邪推してしまいました。
この辺りはまた専門の方にお会いする機会があったら尋ねてみたいと思います。

実践!マラソン・トレランで結果を出すためのメニュー設計
ここからは論文データに基づいた具体的なアクションプランです。
「ただジムに行ってマシンを動かせばいい」わけではありません。 科学的に正しいやり方があります。
鉄則:ターゲットにする強度と回数

論文では、以下の2種類のトレーニングが推奨されています 9。
- 高負荷トレーニング(Heavy Strength Training):
- 強度: 1回持ち上げるのが限界の重さ(1RM)の 85%以上。
- 回数: 4回〜10回がギリギリできる重さ。
- 爆発的トレーニング(Explosive Strength Training):
- 強度: 自重、または軽い負荷(0-60% 1RM)。
- 意識: とにかく**「動作スピードを最大にする」**こと。ジャンプやダッシュ。
⚠️ 注意:一番やってはいけないこと
「持久力をつけたいから」といって、軽い負荷で20回も30回もやるのはNGです。それはランニングですでにやっています。必要なのは「神経系」と「最大出力」への刺激です。
究極のルール:「限界(オールアウト)までやらない」
これが最大の落とし穴です。ボディビルのように「もう上がらない…」となるまで追い込む(Failure)と、筋肉が肥大しすぎたり、疲労回復が遅れてランニングに悪影響が出たりする可能性があります。
「あと1〜2回はいけるけど、あえて止める」くらいでセットを終えるのが、持久系アスリートの正解です。
この理屈が合ってるなら、最近の僕は筋トレがんばり過ぎてたのかもしれないですね。少し抑えめにやってみようと思います。

競技別・活用イメージと週間メニュー

マラソンランナーの場合
マラソンでは、30km以降にいかに「Sタイプ(遅筋)」を温存し、動員され始めた「FR/FFタイプ(速筋)」で粘れるかが勝負です。
高負荷スクワットなどで速筋の燃費(IIX→IIAへの移行)を改善させておくことが、そのまま「30kmの壁」の突破につながります。
トレイルランニングの場合
トレイルはロードと違い、急な登りで強制的に大きなパワーが必要になります。つまり、レース序盤から「速筋」を使わざるを得ない場面が多いのです。
ここで筋力がないと、早々に速筋が疲労困憊になり、脚が終わります。筋トレで「最大出力」を上げておけば、登り坂でも余裕を持って対応でき、脚を残すことができます。
おすすめ週間メニュー例(週2回)
というわけで、論文ベースの推奨メニューがこちらです。
【Day 1:高負荷の日(ジム)】
- スクワット or レッグプレス: 3セット × 4〜6回(高負荷!) 11
- カーフレイズ(ふくらはぎ): 3セット × 10回
- インターバル: セット間は2〜3分しっかり休む。
【Day 2:瞬発力の日(公園・自宅)】
- ドロップジャンプ: 台から降りて、接地時間を短く跳ね返る(10回 × 3セット) 12
- スプリント: 20m〜50mの全力ダッシュ × 5本
- 意識: とにかく接地時間を短く、バネを使うイメージで。

どれくらいの日数間隔を空けてやったら良いんでしょうか?
あと、このメニューを実施する前日と後日はどのように過ごせば良いのかも知りたいです。
週2回なら、中2日か3日あけるのがベストです。例えば「月・木」とか「水・日」みたいな感じです。
この「高負荷・低回数」の筋トレって、筋肉痛もそうなんですが、神経系の疲れが結構くるんですよ。連日でやると出力が出しきれなくて効果が薄まるので、しっかりあけたほうがいいです。
前後のスケジュールはこんな感じが理想です。
- 前日: 元気な状態で筋トレしたいので、軽めのジョグか完全オフにしてください。疲れてると重いのが持てなくて、ただ辛いだけの練習になっちゃいます。
- 翌日: 論文にもありましたが、慣れるまでは脚がズーンと重くなります。なので、無理にスピードは出さず、血流を良くするための**「ゆっくりジョグ(疲労抜き)」**か、辛ければ休んじゃってOKです。
あと、週末にやるなら「公園でジャンプ系のメニューやって、そのまま走りに行く」のが結構おすすめですよ。足がバネみたいに弾む感覚がわかって楽しいですし、時短にもなります!
まとめ
「マラソンやトレランで楽をしたければ、重い物を持て(または速く動け)。」
これが、今回4本の論文を精査して得られた結論です。
走る距離を増やすだけがトレーニングではありません。週に1〜2回、ランニングシューズを脱いで筋トレをすることで、あなたの体の中にある「燃費の悪いエンジン」を「高性能なエンジン」に積み替えることができます。
かなり勉強になりました。AIの力がなかったらこの論文は絶対に読み解けなかったです…。生まれた時代に感謝。
僕も10年のブランクを埋めるため、一旦この理論を信じてトレーニングに励んでみようと思います。
効果が実感できたらまた改めて報告させていただきますね!
最後まで読んできただきありがとうございました!


